3. 実装・構築

「実装・構築」における目標

ソフトウェア構築の考え方,手順,手法,留意事項を修得し,応用する。

3.1. 実装・構築のタスク

実装・構築では,ソフトウェアユニットの作成,テスト手順及びテストデータの作成,ソフトウェアユニットのテストの実施,利用者文書の更新,ソフトウェア統合テスト要件の更新,ソフトウェアコード及びテスト結果の評価を実施することを理解する。

用語例

コーディング,プログラム言語,プログラム書法

3.2. ソフトウェアユニットの作成

定められたコーディング標準,プログラム言語の仕様に従い,ソフトウェアユニット機能仕様書に基づいてプログラミングを行うことを理解する。

用語例

セグメント化,制御構造,制御セグメント,プログラム設計,アルゴリズム,データ処理,データベース,加工セグメント,構造化プログラミング,モジュール分割,モジュール仕様,論理型プログラミング,並列処理プログラミング

3.3. ソフトウェアコード及びテスト結果の評価基準

ソフトウェアコードとテスト結果を評価する際の基準を理解する。また,ソフトウェアユニットの作成,ソフトウェアユニットのテスト実施後,レビューを行うことを理解する。

用語例

追跡可能性,外部一貫性,内部一貫性,テスト網羅性,コーディング方法及び作業標準の適切性,ソフトウェア統合及びテストの実現可能性,運用及び保守の実現可能性

3.4. コーディング標準

コーディング標準の目的を理解する。また,コーディング標準には具体的にどのような内容を含めるか,コーディング標準を守らない場合にどのような弊害が起こるかを理解する。

用語例

インデンテーション,ネスト,命名規則,使用禁止命令

3.5. コーディング支援手法

コーディング支援手法の特徴と,利用する利点,留意事項を理解する。

用語例

コード補完,コードオーディター,シンタックスハイライト

3.6. コードレビュー

コードレビューの目的,方法を理解する。また,コーディング標準を守っているか,ソフトウェア詳細設計書に基づいているか,効率性や保守性が適切かなどを確認することを理解する。

用語例

メトリクス計測,コードインスペクション,ピアコードレビュー,ウォークスルー

3.7. デバッグ

デバッグの方法,留意事項,机上デバッグと実際にソフトウェアを動作させて行うデバッグの特徴,各種開発ツールを用いたデバッグ方法を理解する。

用語例

デバッグ環境,静的解析,動的テスト,アサーション,デバッガ

3.8. ソフトウェアユニットのテスト

3.8.1. テストの目的

ソフトウェアユニットのテストは,ソフトウェア設計で定義したテスト仕様に従って行い,要求事項を満たしているかどうかを確認することを理解する。

用語例

障害,欠陥,障害分析,使用性(usability)

3.8.2. テストの手順

テストの目的,方針,スケジュール,体制,使用するテストツールなどを決定してテスト計画を立て,次にテスト項目,テストデータの作成,テスト環境の用意などのテスト準備を行い,テストを実施し,テスト結果を評価するという一連の手順を理解する。

用語例

テスト方法論,テスト範囲,テスト準備(テスト環境,テストデータなど),テスト実施者,ユニットテスト,チェックシートの作成,シミュレーター,プロトタイプ

3.8.3. テストの実施と評価

テストの目的,実施方法,留意事項,テストで使用されるテストツールの役割を理解する。また,テストの実行後には,テスト結果の記録,結果分析,プログラムの修正や改良作業を行うことを理解する。

用語例

デバッガ,ドライバ,スタブ,テストデータジェネレーター,テスト設計と管理手法(バグ曲線,エラー除去,バグ管理図),テスト自動化,テストの網羅度,トレーサビリティ要件,ソフトウェア要件又はソフトウェア設計との一貫性,ユニットの要件内の一貫性

3.8.4. テストの手法

テストで用いられるブラックボックス法,ホワイトボックス法のテストデータの作成方法を理解する。

用語例

メトリクス計測,テストケース,命令網羅,条件網羅,判定条件網羅(decision coverage),複数条件網羅(multiple condition coverage),経路組合せ網羅,網羅率,カバレージ,限界値分析法,同値分析法,原因結果グラフ法,エラー埋込法,実験計画法