2. データベース設計

「データベース設計」における目標

データの分析の考え方を修得し,応用する。

データベースの設計の考え方,手順,手法を修得し,応用する。

データの正規化の目的,手順を修得し,応用する。

データベース作成の手順,評価方法を修得し,応用する。

オブジェクト指向データベースの考え方を修得し,応用する。

2.1. データ分析

対象業務にとって必要なデータは何か,各データがどのような意味と関連をもっているかなどの分析と整理,異音同義語,同音異義語の発生を抑えるデータ項目の標準化など,データ分析を行う際の考え方を理解する。また,データモデルの作成手法であるトップダウンアプローチとボトムアップアプローチを理解する。

用語例

データ重複の排除,メタデータ,データディクショナリ

2.2. データベースの設計

2.2.1. データベース開発工程

開発計画立案,外部設計,内部設計,プログラム作成,テスト,移行に至るまでのデータベース開発の工程と手順,手法を理解する。

用語例

システム分析,要求定義,企業データモデル,データモデル,概念データモデル,論理データモデル,物理データモデル,副次索引,分割法,DOA(Data Oriented Approach:データ中心アプローチ)

2.2.2. データベースの概念設計

概念設計では,要求定義で定義されたデータ項目と,システム機能設計の際に発生したデータ項目をまとめ,データ項目全体を設計することを理解する。また,DBMS に依存しないデータの関連を表現する手法として,E-R 図やUML を使用した構成要素,属性,関連の表し方,特徴,カーディナリティ(1 対1,1 対多,多対多)などを理解する。

用語例

概念データモデル,バックマン線図,エンティティ,属性,リレーションシップ

2.2.3. データベースの論理設計

データの重複や矛盾が発生しないテーブル(表)設計の考え方,主キー,外部キーなどの概念,一貫性制約(一意性制約,参照制約,検査制約など)の制約を理解する。また,ユーザービューの機能と定義を理解する。

用語例

論理データモデル,配置モード,親子集合順序,親子集合,索引,フィールド(項目),レコード,ファイル,NULL,一意性制約

2.2.4. データの正規化

正規化の目的と手順,第1 正規化,第2 正規化,第3 正規化などを理解する。また,正規化の考え方に従った,具体的な設計案に対して更新容易性や性能面などから評価し,最適な設計を行うことを理解する。

用語例

完全関数従属,部分関数従属,推移関数従属

2.2.5. データベースのパフォーマンス設計

処理の高速化のためにあえて正規化を行わず,表の結合にかかる時間を短縮するなど,パフォーマンスを考慮したデータベース設計の考え方を理解する。

用語例

非正規化

2.2.6. データベースの物理設計

データベースの物理設計では,アクセス効率,記憶効率の側面からデータベースの最適化を図ることを理解する。また,磁気ディスク上に記憶される形式や論理データ構造の物理データ構造へのマッピングなど,データベースの物理的構造を設計する際の留意事項を理解する。

用語例

ディスク容量見積り,論理データ構造のマッピング,ファイル編成,最適ブロック設計,物理入出力,性能評価,コンプレッション,デコンプレッション,性能改善ポイント,インメモリデータベース

2.2.7. データベースの作成手順

データベース環境の準備,入力データの準備,データベースの定義,データの登録,データベースの検証などの一連のデータベースの作成手順を理解する。

用語例

データベース定義情報,レコード形式,親子関係,キー順,存在制約,インバーテッドファイル

2.2.8. データベースの評価・運用

データベースの性能評価方法を理解し,評価結果によってはチューニングや再編成などの対応策が必要であることを理解する。

用語例

データベースの運用・保守

2.2.9. オブジェクト指向データベース

オブジェクト指向データベースが開発された背景を理解し,複雑なデータ構造をもつデータの保存などに利用されていることを理解する。

用語例

オブジェクト指向データモデル,複合オブジェクト,XML データベース,オブジェクト識別性,O/R マッピング