1. 概要
XML(eXtensible Markup Language)は、データの構造化と交換を目的として設計されたマークアップ言語です。HTMLの機能に加えて、独自のタグを定義できる柔軟性を持ち、主にインターネットを介したデータ交換に広く利用されています。XMLの重要性は、異なるシステム間でのデータ共有や、複雑な構造を持つ情報の表現に適していることにあります。
2. 詳細説明
2.1. XMLの特徴
- 拡張性: ユーザーが独自のタグを定義できる。
- 構造化: データを階層構造で表現できる。
- プラットフォーム独立性: 様々なシステムで利用可能。
- 人間可読性: タグの意味が理解しやすい。
- Unicode対応: 多言語のサポート。
2.2. XMLの基本的な記述方法
XMLドキュメントは以下の要素で構成されます:
- XML宣言: ドキュメントの先頭に記述。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
- 要素(Element): 開始タグと終了タグで囲まれたデータ。
<book>
<title>XMLの基礎</title>
<author>山田太郎</author>
</book>
- 属性(Attribute): 要素に付加的な情報を与える。
<book isbn="978-4-xxxx-xxxx-x">
- コメント:
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2.3. 関連技術
- DOM(Document Object Model): XMLドキュメントをツリー構造で扱うためのAPI。
- SOAP(Simple Object Access Protocol): XMLベースのメッセージング プロトコル。Webサービスでよく使用される。
- SVG(Scalable Vector Graphics): XML形式で記述されるベクターグラフィックス形式。
- SAX(Simple API for XML): XMLドキュメントを逐次的に処理するためのAPI。大規模なXMLの処理に適している。
- XML Schema: XMLドキュメントの構造と内容を定義するための言語。
3. 応用例
- Webサービス: SOAPプロトコルを使用したデータ交換。
- 設定ファイル: アプリケーションの設定情報の保存。
- データ交換: 異なるシステム間でのデータ共有(例:企業間取引)。
- RSS/Atom: ニュースフィードの配信。
- SVGグラフィックス: Webページ上の動的なグラフィックス表示。
4. 例題
例題1
以下のXMLの誤りを指摘し、正しく修正してください。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8">
<bookstore>
<book>
<title>XMLマスター</title>
<author>鈴木一郎
<price>2500円</price>
</book>
</bookstore>
回答例1:
修正後のXML:
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<bookstore>
<book>
<title>XMLマスター</title>
<author>鈴木一郎</author>
<price>2500円</price>
</book>
</bookstore>
修正点:
- XML宣言の終わりに
?>
を追加 <author>
タグを閉じる
例題2
次のXML Schemaの一部を見て、適合するXMLの例を作成してください。
<xs:element name="employee">
<xs:complexType>
<xs:sequence>
<xs:element name="name" type="xs:string"/>
<xs:element name="age" type="xs:positiveInteger"/>
<xs:element name="department" type="xs:string"/>
</xs:sequence>
<xs:attribute name="id" type="xs:ID" use="required"/>
</xs:complexType>
</xs:element>
回答例2:
XML Schema に適合するXMLの例:
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<employee id="emp001">
<name>山田花子</name>
<age>28</age>
<department>開発部</department>
</employee>
5. まとめ
XMLは柔軟性と拡張性に優れたマークアップ言語であり、データの構造化と交換に広く利用されています。独自のタグ定義が可能で、様々なアプリケーションやシステム間でのデータ共有に適しています。DOM、SOAP、SVG、SAX、XML Schemaなどの関連技術と組み合わせることで、より強力なデータ処理や表現が可能になります。XMLの基本的な構造と記述方法を理解し、適切に活用することで、効果的なデータ管理と交換が実現できます。