3. 調達計画・実施

3.0. 「調達計画・実施」における目標

調達計画・実施における目標は、次のようになっています。

調達計画の策定と調達実施の目的,考え方を修得し,適用する。

基礎を習得した上で、応用できるよう学習をすすめていきます。

3.1. 調達と調達計画

3.1.1. 調達の前提

開発するシステムの用途,規模,取組方針,前提や制約条件に応じた調達方法を理解する。

3.1.2. 調達計画

要件定義を踏まえ,既成の製品又はサービスの購入,組織内部でのシステム開発,外部委託によるシステム開発などから調達方法を選択し,調達の対象,調達の要求事項,調達の条件などを定義して調達計画を策定することを理解する。

用語例

内外作基準,IFB(Invitation For Bids:入札募集)

3.1.3. 外部資源の利用

システム開発における外部資源活用の妥当性,外部資源活用の方法,特徴を理解する。

用語例

システムインテグレーター,SI 事業者,アウトソーシング,SaaS(Software as a Service ), ASP , IDC ( Internet Data Center ), SOA ( Service OrientedArchitecture:サービス指向アーキテクチャ)を含むWeb サービス,ソフトウェアパッケージの適用,オープンソースソフトウェアの適用,OEM,ODM,ファブレス

3.1.4. システム資産及びソフトウェア資産管理

調達を適切に行う上で,システム資産及びソフトウェア資産を管理することが有効であることを理解する。

用語例

ソフトウェアのサプライチェーンマネジメント,ライセンス管理,構成管理

3.2. 調達の実施

3.2.1. 調達の方法

調達の代表的な方法,留意事項を理解する。

用語例

企画競争入札,一般競争入札,総合評価落札方式(加算方式),総合評価,価格評価,WTO 政府調達協定

3.2.2. 情報提供依頼書

ベンダー企業に対し, システム化の目的や業務内容を示し, RFI ( Request For Information:情報提供依頼書)を作成することを理解する。

3.2.3. 提案依頼書

ベンダー企業に対し,調達対象システム,提案依頼事項,調達条件などを示したRFP(Request For Proposal:提案依頼書)及びRFQ(Request For Quotation:見積依頼書)を提示し,提案書,見積書の提出を依頼することを理解する。

用語例

対象範囲,システムモデル,サービス要件,目標スケジュール,契約条件,ベンダーの経営要件,ベンダーのプロジェクト体制要件,ベンダーの技術及び実績評価

3.2.4. 提案書・見積書

ベンダー企業では,提案依頼書を基にシステム構成,開発手法などを検討し,提案書や見積書を作成して依頼元に対して提案することを理解する。

3.2.5. 調達選定

調達先の選定に当たっては,提案評価基準や要求事項適合度の重み付けを含め,選定の手順を確立し,ベンダー企業の提案書や見積書から,開発の確実性,信頼性,費用内訳,工程別スケジュール,最終納期などを比較評価して選定することを理解する。

用語例

原価構成,工期,内部統制,法令遵守,品質リスク,納期リスク,費用超過リスク,要員スキルに関するリスク,CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)調達,グリーン調達

3.2.6. 調達リスク分析

調達に当たっては,内部統制,法令遵守,CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)調達,グリーン調達などの観点からのリスク管理の知識が必要であり,リスクを分析し,評価し,対策を立てる必要があることを理解する。また,調達のリスクを品質リスク,納期リスク,費用超過リスク,要員スキルに関するリスクなど,リスクの内容に合わせて分けられることを理解する。

3.2.7. 契約締結

選定したベンダー企業と契約について交渉を行い,納入システム,費用,納入時期,発注元とベンダー企業の役割分担などを確認し,契約を締結することを理解する。

用語例

ソフトウェア開発委託モデル契約,情報システム・モデル取引・契約書,(準)委任契約,請負契約,知的財産権利用許諾契約,定額契約,実費償還契約(CPIF,CPFF),Time&Material 契約,ソフトウェア使用許諾契約,ライセンス契約,ランニングロイヤリティ,レベニューシェア,サブライセンス,グラントバック