[<< 2.1.6. 検査手法](/不良、合格/不合格 | | サンプルサイズ | 小(n=3〜5) | 大(n≥50推奨) | | 管理内容 | 平均と散らばり | 不良率のみ | | 感度 | 高い | やや低い |

💡 選択のポイント

測定データが数値で表現でき、品質特性を詳細に管理したい場合はx-R管理図を選択します。
一方、良品/不良品の判定のように二値的なデータで、全体的な不良率を管理したい場合はp管理図が適しています。
システム開発では、パフォーマンス管理にはx-R管理図、バグ率管理にはp管理図を使用するのが一般的です。

チェックシート

 データ収集を効率的に行うための記録用紙です。不具合の発生頻度や種類を体系的に記録できます。

層別

 データを特定の基準で分類し、層ごとに分析する手法です。時間帯別、部門別などの切り口で問題を分析できます。

QC七つ道具の体系図

QC七つ道具定量的データ分析手法

パレート図

特性要因図

ヒストグラム

散布図

管理図

チェックシート

層別

特徴:要因を大きさ順に表示用途:重要問題の特定

特徴:因果関係を魚骨状に表現用途:根本原因分析

特徴:データ分布を棒グラフ表示用途:分布状態の把握

特徴:2変数の相関を点で表現用途:相関関係の分析

特徴:時系列で安定性を監視用途:異常の早期発見

特徴:効率的なデータ収集用途:不具合記録・集計

特徴:データを基準で分類用途:層別での問題分析

2.2 新QC七つ道具(定性分析手法)

 新QC七つ道具は、言語データや定性的な情報の整理・分析に用いられる7つの手法です。

 親和図法は、多数のアイデアや意見をグループ化し、整理する手法です。要求分析やブレーンストーミングの結果整理に有効です。

 連関図法は、複雑に絡み合った問題の因果関係を矢印で結んで表現します。システム間の依存関係分析などに活用されます。

 系統図法は、目的達成のための手段を階層的に展開する手法です。機能分解やWBS作成に応用できます。

 マトリックス図法は、2つ以上の要素の関連を行列形式で整理します。機能と部門の責任分担表などに使用されます。

 アローダイアグラム法は、作業の順序関係をネットワーク図で表現します。プロジェクトのスケジュール管理に不可欠です。

 **PDPC法(過程決定計画図法)**は、目標達成までの過程で起こりうる事態を予測し、対応策を検討する手法です。

 マトリックスデータ解析法は、多変量解析を用いて複雑なデータから有用な情報を抽出します。

2.3 品質機能展開(QFD:Quality Function Deployment)

 品質機能展開(QFD)は、顧客の要求を製品やサービスの設計仕様に体系的に変換する手法です。「顧客の声(Voice of Customer)」を起点として、それを技術特性に展開し、最終的に製品仕様や工程設計につなげる包括的な品質管理手法です。

 QFDの中核となるのは「品質の家(House of Quality)」と呼ばれるマトリックス図です。この図では、顧客要求(WHATs)と技術特性(HOWs)の関係を定量的に評価し、重要度に応じた設計の優先順位を決定します。また、技術特性間の相関関係を「屋根部分」に表現し、相反する要求や相乗効果を視覚化します。

 情報システム開発においては、ユーザー要求と機能仕様の対応関係を明確化し、要求の抜け漏れや実装の妥当性を検証するツールとして活用されます。特に、ユーザビリティやパフォーマンス要求など、定性的な要求を定量的な設計指標に変換する際に威力を発揮します。

品質機能展開(QFD)の概念図

相関 技術特性間の関係

HOWs(技術特性)

特性1 特性2 特性3 特性4 特性5

WHATs(顧客要求)

要求項目1 要求項目2 要求項目3 要求項目4 要求項目5

関係マトリックス 顧客要求と技術特性の関連度

重要度評価

技術的重要度

目標値

競合比較

凡例: 強い関係 中程度の関係 弱い関係

顧客の声 製品仕様

3. 実装方法と応用例

3.1 情報システム開発への応用

 ソフトウェア開発プロジェクトにおいて、品質管理手法は様々な場面で活用されています。

 要件定義フェーズでは、親和図法を用いてユーザーの要求を整理し、系統図法で機能を階層化します。また、品質機能展開(QFD)を活用して、ユーザー要求と技術仕様の関係を体系的に分析し、重要度に応じた開発優先度を決定します。これにより、漏れのない要件定義が可能となります。設計フェーズでは、マトリックス図法を使用して、機能とモジュールの対応関係を明確化し、設計の妥当性を検証します。

 テストフェーズでは、パレート図を活用して不具合の傾向を分析し、重点的にテストすべき機能を特定します。また、特性要因図により不具合の根本原因を分析し、効果的な改善策を立案します。

システム開発プロセス

要件定義

設計

実装

テスト

運用

親和図法要求の整理・グループ化

系統図法機能の階層化

連関図法要求間の関係分析

マトリックス図法機能-モジュール対応

アローダイアグラム法作業順序の明確化

PDPC法リスク対応策検討

チェックシートコードレビュー記録

管理図ビルド品質監視

ヒストグラムコード品質分布

パレート図不具合傾向分析

特性要因図不具合原因分析

散布図テスト工数と品質相関

層別テスト結果の分類

管理図パフォーマンス監視

パレート図障害分析

チェックシート運用作業記録

PDPC法障害対応手順

3.2 運用管理での活用

 システム運用においても、品質管理手法は重要な役割を果たします。

 管理図を用いてシステムのパフォーマンスを継続的に監視し、異常の早期発見を行います。CPUやメモリの使用率、レスポンスタイムなどを管理図にプロットすることで、システムの安定性を定量的に評価できます。

 インシデント管理では、チェックシートを活用して障害情報を体系的に収集し、パレート図で障害の傾向を分析します。これにより、頻発する問題に対する予防的な対策を講じることができます。

 また、PDPC法を用いて、システム障害時の対応手順を事前に検討し、迅速な復旧を可能にします。

4. 例題と解説

問題
 あるWebシステムの月間障害件数を分析したところ、以下のような結果が得られた。

  • データベース接続エラー:45件(45%)
  • ネットワーク遅延:25件(25%)
  • アプリケーションエラー:15件(15%)
  • ハードウェア故障:10件(10%)
  • その他:5件(5%)

 この状況を改善するために最も適切な品質管理手法はどれか。

ア 散布図を作成し、障害件数と時間帯の相関を分析する
イ パレート図を作成し、優先的に対処すべき障害を特定する
ウ ヒストグラムを作成し、障害の分布状態を確認する
エ 管理図を作成し、障害発生の異常値を検出する

解答:イ

解説
 この問題では、障害の種類別件数と累積比率が示されており、全体の70%がデータベース接続エラーとネットワーク遅延で占められています。このような状況では、パレート図を作成して「重要な少数」の問題に焦点を当てることが最も効果的です。パレート図により、データベース接続エラーとネットワーク遅延の2つの問題を優先的に解決することで、全体の障害件数を大幅に削減できることが視覚的に理解できます。

障害分析のパレート図例

0 10 20 30 40 50

件数

0% 20% 40% 60% 80% 100%

累積比率

45 25 15 10 5

データベース 接続エラー

ネットワーク 遅延

アプリケーション エラー

ハードウェア 故障

その他

45% 70% 85% 95% 100%

障害件数

累積比率

5. まとめ

 品質管理手法は、定量的な分析を行うQC七つ道具と、定性的な分析を行う新QC七つ道具、そして顧客要求を体系的に製品仕様に変換する品質機能展開(QFD)から構成され、それぞれが問題解決の異なる局面で重要な役割を果たします。情報システムの開発・運用において、これらの手法を適切に組み合わせることで、品質の向上と問題の早期発見・解決が可能となります。応用情報技術者として、各手法の特徴と適用場面を理解し、実務で活用できることが求められています。

2.1.8. 需要予測 >>

ご利用上のご注意

 このコンテンツの一部は、生成AIによるコンテンツ自動生成・投稿システムをもちいて作成し、人間がチェックをおこなった上で公開しています。チェックは十分に実施していますが、誤謬・誤解などが含まれる場合が想定されます。お気づきの点がございましたらご連絡いただけましたら幸甚です。