4.2. 運用オペレーション

1. 概要

1.1. テーマの基本説明

 本記事では、サービスマネジメントの一環としての「サービスの運用」における運用オペレーションについて説明します。システムの監視と操作をはじめ、ジョブスケジューリング、スケジュール設計、バックアップ、アウトプットの管理、ジョブの復旧と再実行といったプロセス、および運用支援ツール(監視ツール,診断ツール)や業務運用マニュアルの活用方法を学びます。

1.2. 重要性

 運用オペレーションは、システムの安定稼働を実現するために欠かせないプロセスです。定められた手順に従い、システムの監視・操作・状況連絡を行うことで、障害発生時の迅速な対応と業務継続性の確保が可能となります。特に、ジョブスケジューリングやスケジュール設計、バックアップなどは、システムの信頼性向上に直結します。

2. 詳細説明

2.1. 運用オペレーションの概要

 運用オペレーションとは、システムを安定稼働させるために、定められた手順に沿ってシステムの監視・操作・状況連絡を実施するプロセスです。業務運用マニュアルに基づいた標準化された運用は、トラブル発生時の迅速な情報共有と対応に不可欠です。

2.2. システムの監視と操作

 システムの監視と操作は、システムの状態をリアルタイムで把握し、異常が検知された場合に即座に対応するための活動です。運用支援ツールとしての監視ツールや診断ツールを活用し、システム状況の確認や、状況連絡、必要な操作が行われます。

flowchart TD
 A[システムの状態監視] --> B[監視ツールによるデータ収集]
 B --> C{異常検知}
 C -- 異常なし --> D[定常運用]
 C -- 異常あり --> E[診断ツールによる詳細分析]
 E --> F[状況連絡・対応]
 F --> D

図1: システム監視と診断ツールのワークフロー図

2.3. ジョブスケジューリングとスケジュール設計

 ジョブスケジューリングは、各種業務プロセスを自動化し、効率的な処理を実現する仕組みです。これに伴うスケジュール設計では、システムの稼働時間やリソース状況を考慮し、各ジョブの最適な実行タイミングを決定します。両者が連携することで、システム全体の効率と安定性が向上します。

flowchart TD
    A[ジョブ計画] --> B[スケジュール設計]
    B --> C[ジョブスケジューリング]
    C --> D[ジョブ実行]
    D --> E{実行結果}
    E -- 成功 --> F[処理完了]
    E -- 失敗 --> G[ジョブの復旧と再実行]
    G --> D

図2: ジョブスケジューリングのタイムラインとスケジュール設計フロー図

2.4. バックアップ、アウトプットの管理、ジョブの復旧と再実行

 バックアップは、データ保護のための基本プロセスであり、定期的なデータコピーを作成することで万一の障害に備えます。アウトプットの管理は、生成されたデータやレポートを適切に処理し、次の業務プロセスへ円滑に引き渡す作業です。さらに、ジョブの復旧と再実行は、実行中のジョブがエラーや障害により中断された際、迅速に再起動させ業務の継続性を維持するための機能です。

プロセス 目的 具体的手順
バックアップ データ保護 定期的なデータコピーの作成と保存
アウトプット管理 生成データの整理 レポートやログの管理・アーカイブ
ジョブの復旧と再実行 業務継続性の確保 障害発生時のジョブ再起動手順の実施

表1: バックアップ、アウトプット管理、ジョブ復旧プロセスの一覧表

2.5. 業務運用マニュアルと運用支援ツールの活用

 業務運用マニュアルは、運用オペレーションの各プロセスを標準化し、担当者間での情報共有を促進するための基本文書です。これにより、誰が作業を実施しても一定の品質が保たれることが保証されます。また、運用支援ツール(監視ツール,診断ツール)の活用により、システムの状態がリアルタイムで可視化され、異常検知や迅速な対応が可能となります。

3. 応用例

3.1. 金融業界における運用オペレーション

 金融機関では、取引システムの安定稼働が求められます。システムの監視と操作を定期的に行い、ジョブスケジューリングによる定時バッチ処理や、バックアップによるデータ保護が実施されます。万一の障害発生時には、ジョブの復旧と再実行により迅速な対応が行われ、業務運用マニュアルに沿った運用が金融システムの信頼性を支えています。

3.2. 製造業における自動化システム

 製造業では、ラインの稼働状況や生産データの管理が重要です。運用支援ツールを利用してシステムの監視と操作を行い、スケジュール設計に基づくジョブスケジューリングで自動化された業務プロセスが実現されています。トラブル発生時には、バックアップとジョブの復旧・再実行により生産ラインの停止を最小限に抑える仕組みが整えられています。

4. 例題

例題1: ジョブスケジューリングの重要性

【問題】
  システムの定時バッチ処理を管理するために必要な「ジョブスケジューリング」と「スケジュール設計」の役割について説明してください。

 ジョブスケジューリングは、システム内で実行される各ジョブを自動的に起動し、効率的に業務プロセスを実行する仕組みです。一方、スケジュール設計は、システムの稼働状況やリソース使用状況を踏まえ、各ジョブの最適な実行タイミングを計画するプロセスです。これにより、システム全体の効率と安定性が向上します。

例題2: バックアップとジョブの復旧

【問題】
  システム障害発生時における「バックアップ」と「ジョブの復旧と再実行」の役割について述べ、これらがどのように連携して業務継続性を維持するか説明してください。

 バックアップは、定期的にデータをコピーし保存することで、障害発生時のデータ損失を防ぐ基本的手法です。ジョブの復旧と再実行は、障害により中断されたジョブを迅速に再起動させるプロセスで、業務運用マニュアルに沿った手順により実施されます。これらが連携することで、万一の障害発生時にもシステム全体の安定稼働と業務継続性が確保されます。

5. まとめ

 運用オペレーションは、システムの安定稼働を支える多角的なプロセスの集合体です。

  • システムの監視と操作
    監視ツールや診断ツールを活用し、リアルタイムな状態把握と異常対応を実現。
  • ジョブスケジューリングとスケジュール設計
    各業務プロセスの自動化と最適な実行タイミングの設定により、システム全体の効率化を図る。
  • バックアップ、アウトプット管理、ジョブの復旧と再実行
    データ保護と業務継続性のため、定められた手順でのプロセス管理が行われる。
  • 業務運用マニュアルと運用支援ツールの活用
    標準化された運用手順とツールの活用により、信頼性の高いシステム運用が実現される。

 これらのプロセスが一体となることで、企業におけるシステムの信頼性と効率性が向上し、実務における理解の深化が図られます。