2.13.3. 構築及び移行

1. 概要

1.1. テーマの基本的な説明

 本テーマ「構築及び移行」は、文書化された設計に適合するシステムやサービスの構築を行い、その後、計画的な移行プロセスを経て、運用サービス基準を満たしていることを確認するための手法を学ぶことを目的としています。
  このプロセスでは、継続的インテグレーションによる自動テストや統合、受入れテスト運用テストなどの品質保証工程を通じ、リリース及び展開管理を活用して新規サービスやサービス変更の業務及びシステムの移行が実施されます。

1.2. 重要性

 システムの信頼性と品質を保証するためには、設計に基づいた正確な構築と、計画的な移行計画に沿った移行プロセスが不可欠です。
 具体的には、移行リハーサル移行判断移行の通知移行評価を通じて問題点を洗い出し、最終的に運用引継ぎによりスムーズな運用へと繋げることが求められます。

2. 詳細説明

2.1. 構築と継続的インテグレーション

 文書化された設計に基づいてシステムやサービスを実際に作り上げる工程を「構築」といいます。
 この工程では、ソフトウェアのコード作成やシステム設定、環境の整備が行われ、継続的インテグレーションを取り入れることで、コードの変更が自動的に統合・テストされ、問題が早期に発見される仕組みが整います。結果として、設計に適合する高品質な成果物が提供されます。

2.2. 移行プロセスの概要

 構築完了後は、本番環境への移行が行われます。移行は、計画的な移行計画に基づいて実施され、以下の主要なステップが含まれます。

flowchart TD
%% メインプロセス
A[設計文書の作成] --> B[システムの構築]
B --> C[継続的インテグレーションによる自動テスト]
C --> D[受入れテストの実施]

%% 移行準備フェーズ
D --> E[移行計画の策定]
E --> F[移行リハーサルの実施]

%% 移行実施フェーズ
F --> G[移行判断と移行の通知]
G --> H[本番環境への移行実施]

%% 評価・運用フェーズ
H --> I[移行評価の実施]
I --> J[運用テストの実施]
J --> K[運用引継ぎの完了]

%% スタイリング
classDef default fill:#f9f9f9,stroke:#333,stroke-width:2px
classDef phase fill:#e1f3d8,stroke:#82c91e,stroke-width:2px

class A,B,C,D default
class E,F,G,H,I,J,K default

 各工程の概要は、下記の表にもまとめています。

工程 内容
移行計画 全体のスケジュール、リソース、リスク管理の策定
移行リハーサル 本番移行前に模擬実施し、問題点の洗い出しと対策検証
移行判断 リハーサル結果に基づき、実施可否を決定
移行の通知 関係者へ移行スケジュールと手順を事前に周知
移行評価 移行完了後、計画通りに進行したかの評価

2.3. テストと運用引継ぎ

 移行の各段階では、システムが設計通りに動作するかを確認するために、受入れテスト運用テストが実施されます。
 これらのテストを通じ、システムが運用サービス基準を満たしていることが検証されます。
 さらに、移行完了後は運用引継ぎが実施され、運用チームに対してシステムの運用方法や注意事項が引き継がれ、実稼働環境での安定運用が確保されます。
 また、リリース及び展開管理のプロセスも、システム変更や新規サービスのスムーズな移行をサポートするために重要な役割を担っています。

3. 応用例

3.1. システム開発企業の事例

 あるシステム開発企業では、新規サービスの開発に際し、まず文書化された設計に基づいて構築が行われます。
 その後、継続的インテグレーションツールを用いて自動テストを実施し、品質を確保します。
 次に、移行計画に沿って移行リハーサルを行い、リスクや問題点を洗い出します。
 これを基に移行判断を行い、関係者に移行の通知を徹底。
 最終的に、受入れテスト運用テストで品質を検証し、運用引継ぎを経てシステムが運用サービス基準に適合することを確認します。

3.2. 大規模システム移行プロジェクトの事例

 大規模なシステム移行プロジェクトでは、既存システムから新システムへの業務及びシステムの移行が求められます。
 プロジェクトチームは、詳細な移行計画を策定し、移行リハーサルを実施。
 その結果をもとに移行判断を行い、関係者に対して移行の通知が行われます。
 移行完了後は、移行評価により問題点を洗い出し、必要な対策を講じます。
 最後に、運用テストを通じてシステムが運用サービス基準に適合することを確認し、運用引継ぎで運用チームへ引き渡されます。

4. 例題

例題1: サービス構築とテストのプロセス

【問題】
 ある企業では、新たな業務システムの構築を進めています。設計書に基づいて開発が進行し、継続的インテグレーションによりコードの統合とテストが自動化されています。
 この状況下で、サービス受入れ基準を満たすために必要なテスト工程を説明し、これらの工程がどのように運用サービス基準の達成に寄与するか述べてください。

 システム構築後、まず受入れテストで設計通りの動作を確認し、次に運用テストで実際の稼働環境下での安定性を検証します。これにより、システムが運用サービス基準に適合し、ユーザーへ安定したサービスが提供されます。

例題2: 移行プロセスの計画と評価

【問題】
 新システムへの移行を実施するため、プロジェクトチームは詳細な移行計画を作成しました。計画には、移行リハーサル移行判断、および関係者への移行の通知が含まれています。
 これらの工程を踏んだ後、どのように移行評価を実施し、最終的に運用引継ぎを完了させるか、プロセスを説明してください。

 まず、移行リハーサルにより計画通りの移行が可能か検証し、その結果を基に移行判断を行います。判断後、関係者に対して移行の通知を実施し、実際の移行作業を開始します。移行完了後は、移行評価を実施して計画との差異や問題点を洗い出し、必要な対策を講じます。最終的に、システムの運用方法や注意事項をまとめ、運用引継ぎを行い、スムーズな運用へと引き渡します。

5. まとめ

 本記事では、「構築及び移行」における一連のプロセスについて以下の点を解説しました。

  • 文書化された設計に基づく構築と、継続的インテグレーションによる自動テストの活用
  • 計画的な移行計画移行リハーサル移行判断移行の通知、および移行評価の実施
  • 受入れテスト運用テストを通じた、運用サービス基準への適合確認
  • 最終的な運用引継ぎにより、円滑なシステム運用の確立

 これらのプロセスを理解することで、実際の現場でのシステム構築と移行の品質保証が可能となります。