1. 概要
プロジェクトの調達とは、プロジェクトの成功に必要な製品、サービス、成果物を外部から調達し、供給者との関係を適切に管理するプロセスです。プロジェクトの規模が大きくなるほど、自社だけでは必要なリソースを確保できず、外部調達の重要性が増します。
「調達の対象群が含むプロセス」では、以下の3つのプロセスを理解することが求められます。
- 調達の計画:調達の対象を特定し、調達方法を決定する
- 供給者の選定:適切な供給者を選び、契約を締結する
- 調達の運営管理:契約に基づき、供給者の業務を監督し、調達を適切に進行させる
これらのプロセスを適切に実施することで、コスト、品質、納期を最適化し、プロジェクトの成功率を高めることができます。
2. 詳細説明
2.1 調達の計画
調達の計画では、プロジェクトに必要なリソースのうち、外部から調達すべきものを特定し、最適な調達方法を決定します。
(1) 調達の対象
調達の対象となるものには、以下のようなものがあります。
調達対象 | 具体例 |
---|---|
製品 | ハードウェア(サーバー、PC)、ソフトウェアライセンス |
サービス | クラウドサービス、コンサルティング、システム開発 |
成果物 | 外部企業が作成したレポート、データ解析結果 |
表1:調達対象の具体例表
(2) 調達方式の決定
- 購入:一括で購入し、所有権を得る(例:サーバー機器の購入)
- リース:一定期間借りることで初期コストを抑える(例:業務用ソフトウェアのライセンス契約)
- アウトソーシング:特定の業務を外部企業に委託する(例:システム開発の外部委託)
2.2 供給者の選定
供給者の選定では、調達計画に基づき、最適な供給者を選び、契約を締結します。
(1) 供給者の評価
供給者を選定する際には、以下のような評価基準を考慮します。
評価基準 | 具体例 |
---|---|
コスト | 提案価格が予算内か |
品質 | 供給者の技術力、納品実績 |
納期 | プロジェクトのスケジュールに間に合うか |
リスク | 供給者の経営状況、契約違反のリスク |
表2:供給者の評価基準表
2.3 調達の運営管理
調達の運営管理では、契約に基づいて供給者との関係を適切に管理し、調達プロセスを円滑に進めます。
(1) 品質管理
納品物が契約通りの品質を満たしているかを検証し、不具合があれば供給者に修正を求めます。
(2) 進捗管理
納品スケジュールを確認し、供給者が予定通り業務を進めているかを管理します。
3. 応用例
3.1 ソフトウェア開発プロジェクト
クラウドサービスを活用するプロジェクトにおいて、以下のような調達プロセスが適用されます。
- 調達の計画:開発に必要なクラウドサービスを選定
- 供給者の選定:複数のベンダーの価格・機能を比較し、最適な供給者を決定
- 調達の運営管理:契約後、SLA(サービスレベル契約)に基づき、クラウドの運用状況を監視
3.2 ITインフラ構築プロジェクト
- 調達の計画:新しいデータセンターの構築に必要なサーバー、ネットワーク機器を選定
- 供給者の選定:価格・納期・品質を考慮し、ハードウェアメーカーを選定
- 調達の運営管理:納期遅延のリスクを管理し、追加発注の可能性も考慮
4. 例題
例題1: 調達の計画
問題:
プロジェクトで外部のクラウドストレージサービスを利用する場合、調達計画で考慮すべき要素を3つ挙げよ。
- コスト(サブスクリプションモデルか従量課金か)
- データ保護(バックアップやセキュリティ対策)
- サービス品質(可用性、SLAの内容)
例題2: 供給者の選定
問題:
2社の提案があり、一方は安価だが納期が不安定、もう一方はコストが高いが実績豊富な企業である。どちらを選ぶべきか、理由を述べよ。
プロジェクトのスケジュール優先度に応じて選択する。納期が厳格であれば実績豊富な企業を、コストが最優先なら安価な企業を選ぶ。
例題3: 調達の運営管理
問題:
システム開発を外部委託したが、納品物の品質が基準を満たしていない。この場合、プロジェクトマネージャーが取るべき対応を3つ挙げよ。
- 契約内容を確認し、品質基準に適合しているかを検証する
- 供給者と協議し、修正対応のスケジュールを決定する
- プロジェクトの影響を最小限にするため、代替策を検討する
5. まとめ
プロジェクトの調達では、調達の計画、供給者の選定、調達の運営管理の3つのプロセスを適切に管理することが重要です。試験では、これらの知識を活用し、適切な判断ができることが求められます。