目的と用語例
時間の対象群が含むプロセスの主要なインプット及びアウトプットを理解する。
活動順序,活動所用期間見積り,活動リスト,スケジュールの制約,スケジュール
1. 概要
プロジェクトマネジメントにおいて、時間管理は成功の要となる重要な要素です。プロジェクトの各プロセスには、特定のインプットが必要であり、それらは定められた手順で処理されてアウトプットとなります。これらのインプット及びアウトプットを適切に管理することで、プロジェクトの進捗を効果的に制御し、成功率を高めることができます。
2. 詳細説明
2.1. 主要なインプット
プロジェクトの時間管理における主要なインプットには以下のものがあります:
2.1.1. 活動リスト
プロジェクトで実施する必要がある作業項目を詳細に記述したリストです。各作業には、作業内容、担当者、必要なリソースなどの情報が含まれます。
活動リスト(Webアプリケーション開発プロジェクト)
ID | タスク | 担当者 | 必要リソース | 期間(日) | 優先度 |
---|---|---|---|---|---|
A | 要件定義 | 分析チーム | 会議室、顧客 | 10 | 高 |
B | DB設計 | DBチーム | 設計ツール | 5 | 中 |
C | UI設計 | デザインチーム | デザインツール | 7 | 中 |
D | バックエンド開発 | 開発チーム | 開発環境 | 15 | 高 |
E | フロントエンド開発 | 開発チーム | 開発環境 | 12 | 高 |
F | 統合テスト | テストチーム | テスト環境 | 8 | 低 |
図1: 活動リストのサンプル図
2.1.2. スケジュールの制約
プロジェクトの実施において考慮すべき時間的な制約条件です。例えば:
- 契約上の期限
- 法令による制限
- 季節的な制約
- リソースの利用可能性
2.2. 主要なアウトプット
2.2.1. 活動順序
プロジェクト活動間の論理的な関係を示したものです。これにより、どの作業が他の作業に依存しているかが明確になります。
flowchart LR A[要件定義] --> B[DB設計] A --> C[UI設計] B --> D[バックエンド開発] C --> E[フロントエンド開発] D --> F[統合テスト] E --> F style A fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:2px style B fill:#bbf,stroke:#333,stroke-width:2px style C fill:#bbf,stroke:#333,stroke-width:2px style D fill:#ddf,stroke:#333,stroke-width:2px style E fill:#ddf,stroke:#333,stroke-width:2px style F fill:#bfb,stroke:#333,stroke-width:2px
図2: 活動順序のフローチャート
2.2.2. 活動所要期間見積り
各作業の完了に必要な期間を見積もったものです。見積りには以下の方法が用いられます:
- 専門家の判断
- 類似プロジェクトの実績
- 統計的手法
2.2.3. スケジュール
すべての要素を統合して作成される、プロジェクトの実行計画です。スケジュールにはバッファ期間が設定される場合があり、リスク管理の観点からも重要です。
gantt title プロジェクトスケジュール dateFormat YYYY-MM-DD section フェーズ1 要件定義 :a1, 2024-01-01, 10d section フェーズ2 DB設計 :a2, after a1, 5d UI設計 :a3, after a1, 7d section フェーズ3 バックエンド開発 :a4, after a2, 15d フロントエンド開発 :a5, after a3, 12d section フェーズ4 統合テスト :a6, after a4 a5, 8d
図3: 簡易ガントチャートの例
3. 応用例
時間管理の原則はさまざまなプロジェクトに応用されています。以下は代表的な例です:
3.1. システム開発プロジェクト
要件定義→基本設計→詳細設計→実装→テストという活動順序に基づき、各フェーズの所要期間を見積もり、プロジェクトスケジュールを作成します。
制約条件として、リソースの確保やリリース日が考慮されます。
3.2. 建設プロジェクト
基礎工事→躯体工事→設備工事→内装工事という順序で進行します。季節的な制約や法令による作業時間の制限も考慮してスケジュールを策定します。
3.3. 製造プロジェクト
試作→量産準備→生産→出荷の工程を含む製造プロジェクトでは、供給チェーンや市場の需要を踏まえた柔軟なスケジュール調整が求められます。
4. 例題
例題1
問題:
あるソフトウェア開発プロジェクトで、以下の情報が与えられています:
- 活動リスト:要件定義(A)、基本設計(B)、詳細設計(C)、実装(D)
- 制約条件:年度末までに完了必要
これらのインプットから、どのようなアウトプットを作成する必要がありますか?
- 活動順序の決定:A→B→C→Dの順序関係を確立
- 各作業の所要期間見積り
- 制約条件を考慮したスケジュールの作成
例題2
問題:
プロジェクトスケジュール作成時に考慮すべきスケジュールの制約には、どのようなものがありますか?
- 契約上の納期限
- リソースの利用可能時期
- 法令による作業時間の制限
- 気象条件による制約
5. まとめ
プロジェクトの時間管理において、主要なインプットである活動リストやスケジュールの制約を適切に分析し、活動順序の決定、活動所用期間の見積り、そしてスケジュールの作成というアウトプットを生成することが重要です。
また、リスク管理の観点からもスケジュールにバッファを設けることが推奨されます。これらの要素を適切に管理することで、プロジェクトの成功確率を大幅に高めることができます。