11.2. 主要なインプット及びアウトプット

1. 概要

 プロジェクトマネジメントにおいて、コミュニケーションはプロジェクトの円滑な進行を支える重要な要素です。特に「プロジェクトのコミュニケーション」における「主要なインプット及びアウトプット」は、関係者間で適切な情報共有を行うための基盤となります。適切なコミュニケーションが確保されていなければ、誤解や認識のズレが発生し、プロジェクトの成功が危うくなります。本記事では、このテーマについて詳細に説明し、実際の応用例や例題を交えて理解を深めます。

2. 詳細説明

2.1. プロジェクトのコミュニケーションとは

 プロジェクトのコミュニケーションとは、関係者間で情報を適切に伝達し、プロジェクトの目的を達成するためのプロセスを指します。このプロセスでは、情報の収集、伝達、保存、取得、理解の各ステップが含まれます。

2.2. 主要なインプット

 プロジェクトのコミュニケーションを適切に行うためには、以下の主要なインプットが必要です。

  • プロジェクトマネジメント計画書: プロジェクト全体の方針や目標、進捗管理の手法が含まれています。特にコミュニケーション管理計画が記載されており、誰にどのような情報をどのタイミングで伝えるかが定められています。
  • 進捗報告書: プロジェクトの進捗状況を記録し、関係者に提供する文書です。一般的には、達成済みのタスク、未完了タスク、リスク状況、次のステップを含みます。
  • 利害関係者登録簿: プロジェクトの関係者情報を整理し、それぞれのニーズや期待を明確にします。ステークホルダーの関与レベルやコミュニケーション頻度も記載されます。
  • 配布情報: プロジェクト内で共有される文書やデータを指します。これには、会議の議事録、仕様変更通知、プロジェクト計画書、業務フロー図などが含まれます。
graph TD;
    A[プロジェクトマネジメント計画書] -->|入力| B[プロジェクトコミュニケーション]
    C[進捗報告書] -->|入力| B
    D[利害関係者登録簿] -->|入力| B
    E[配布情報] -->|入力| B
    B -->|出力| F[プロジェクトコミュニケーション成果物]
    B -->|出力| G[会議の議事録]
    B -->|出力| H[更新されたプロジェクト文書]

図1:プロジェクトの主要なインプットとアウトプットの対応関係

2.3. 主要なアウトプット

 適切なインプットをもとに、以下のアウトプットが生成されます。

  • プロジェクトコミュニケーション成果物: 配布情報や報告書など、関係者と共有される公式な文書です。これには、進捗報告書、リスク報告書、変更管理報告書などが含まれます。
  • 会議の議事録: プロジェクト会議の結果を記録し、関係者と共有するための文書です。議事録には、決定事項、未解決事項、次のアクションが記載されます。
  • 更新されたプロジェクト文書: コミュニケーションを通じて得られた新しい情報を基に、プロジェクト計画やリスク登録簿などを更新します。

3. 応用例

3.1. IT開発プロジェクトにおける活用

 ソフトウェア開発プロジェクトでは、進捗報告書を作成し、開発の遅延や問題点を関係者に報告します。また、配布情報として仕様変更の通知を開発チーム全体に共有することで、作業の統一を図ります。これにより、関係者全員が最新の情報を把握し、スムーズに開発を進めることができます。

項目 内容
プロジェクト名 [プロジェクト名]
報告日 [YYYY/MM/DD]
進捗状況 [進捗率 XX%]
完了済みタスク [タスク1, タスク2]
未完了タスク [タスク3, タスク4]
リスク/課題 [リスク1:対応策, リスク2:対応策]
次のアクション [次の作業計画]

表1:進捗報告書のフォーマット例

3.2. 建設プロジェクトでの事例

 建設プロジェクトでは、進捗報告書を用いて建設の進捗状況をクライアントや監督機関と共有し、必要に応じて工程を調整します。また、配布情報として、安全管理の手順書を現場の作業員に配布し、安全性を確保します。さらに、議事録を用いて関係者間の合意内容を記録し、後のトラブルを防ぎます。

4. 例題

例題1

問題: プロジェクトマネジメントにおいて、プロジェクトのコミュニケーションを円滑に進めるための主要なインプットとして適切なものを次の選択肢から選びなさい。

  • A. 配布情報
  • B. 会議の議事録
  • C. プロジェクトマネジメント計画書
  • D. プロジェクト成果物

解答: C. プロジェクトマネジメント計画書

解説: プロジェクトのコミュニケーションを管理するためには、計画書に基づいた明確な方針が必要です。

例題2

問題: プロジェクトの進捗状況を関係者に報告するために使用される文書は次のうちどれか。

  • A. プロジェクトマネジメント計画書
  • B. 進捗報告書
  • C. リスク登録簿
  • D. ステークホルダー登録簿

解答: B. 進捗報告書

解説: 進捗報告書は、プロジェクトの現状を関係者に伝えるために作成される重要な文書です。

5. まとめ

 プロジェクトのコミュニケーションでは、進捗報告書や配布情報を含む適切なインプットを活用し、関係者間で円滑な情報伝達を行うことが重要です。適切なアウトプットを生成し、関係者と共有することで、プロジェクトの成功確率を高めることができます。情報処理技術者試験においても、この知識は重要な要素となるため、しっかりと理解を深めておきましょう。