1. 情報システム戦略

経営戦略に沿って効果的な情報システム戦略を策定すること，情報システム戦略に基づいて情報システム化基本計画を策定すること，情報システム戦略遂行のための組織体制などを理解する。

情報システム戦略を策定する際の手順を理解する。

［手順の例］

(ⅰ)経営戦略の確認，(ⅱ)業務環境の調査，分析，(ⅲ)業務，情報システム，情報技術の調査，分析，(ⅳ)基本戦略の策定，(ⅴ)業務の新イメージ作成，(ⅵ)情報システムの対象の選定と投資目標の策定，(ⅶ)情報システム戦略案の策定，(ⅷ)情報システム戦略の承認

情報システム戦略を策定する際の留意事項を理解する。

情報システムで目指すべき将来像を，中長期の情報システム化基本計画としてまとめる必要性を理解する。

情報システム戦略遂行のための組織体制を理解する。

情報システム投資計画は，経営戦略との整合性を考慮して策定すること，計画の決定に際してその影響，効果，期間，実現性などの観点から複数の選択肢を検討する必要があることなどを理解する。

情報システム化基本計画に従って，優先順位を明確にして個別の開発計画（個別計画）を立案すること，企業の戦略性を向上させるためのシステムとして，企業全体又は事業活動の統合管理を実現するシステム，企業間の一体運営に資するシステムがあることを理解する。

企業経営システムのモデルを理解する。

EA（Enterprise Architecture：エンタープライズアーキテクチャ）は，組織全体の業務とシステムを統一的な手法でモデル化し，業務とシステムを同時に改善することを目的とした，組織の設計・管理手法であること，全体最適化を図るためのアーキテクチャモデルを作成し，目標を明確に定めることが必要であることを理解する。 アーキテクチャモデルは，業務とシステムの構成要素を記述したモデルのことで，組織全体として業務プロセス，業務に利用する情報，情報システムの構成，利用する情報技術の領域のアーキテクチャ（それぞれ，ビジネスアーキテクチャ，データアーキテクチャ，アプリケーションアーキテクチャ，テクノロジアーキテクチャと呼ばれる）を整理し，システム全体の現状と理想像を表現することを理解する。

BA（Business Architecture：ビジネスアーキテクチャ）は，組織の目標や業務を体系化したアーキテクチャであることを理解する。

DA（Data Architecture：データアーキテクチャ）は，組織の目標や業務に必要となるデータの構成，データ間の関連を体系化したアーキテクチャであることを理解する。

AA（Application Architecture：アプリケーションアーキテクチャ）は，組織としての目標を実現するための業務と，それを実現するアプリケーションソフトウェアの関係を体系化したアーキテクチャであることを理解する。

TA（Technology Architecture：テクノロジアーキテクチャ）は業務を実現するためのハードウェア，ソフトウェア，ネットワークなどの技術を体系化したアーキテクチャであることを理解する。

プログラムマネジメントは，目的や目標が明確な複数のプロジェクトを有機的に組み合わせたプログラムが，プロジェクト相互の関係を最適化して，全体として使命をより良く達成するように統合する活動であることを理解する。

情報システムでは，システムオーナーは情報システムの責任者を指し，データオーナーは情報システムが保有するデータに関する責任者を指すこと，及び関連する各部門の役割を理解する。

全社的な組織構造の中に情報システム関連の組織を組み込み，位置付けと使命を明確にするとともに，情報システムの統制についての要件を定義し，明確化することを理解する。また，フレームワークには，プロセスフレームワーク，コントロールフレームワークなどがあることを理解する。

情報システムにかかる標準に対する準拠性を確保し，継続的な遵守状況をモニタリングし，情報システムの品質を確保するための組織，体制，一連の活動であることを理解する。

情報システム戦略の実行状況をモニタリングし，情報システム戦略の実現を確保する一連の活動であることを理解する。